フローリングの幅 仕上げはオイルかウレタンか 無垢か複合か

自宅の空間は明るい空間としたかったので、フローリングは明るい色としようと考えていました。安心感のある老舗メーカーのミハマ通商のフローリングからセレクトすることにしました。

幅による印象の違い
横浜にあるショールームに行き、何種類かのフローリングを床に敷き並べてもらいわかったことは、フローリングの幅により大きく印象が異なるということでした。これはサンプルを一枚取り寄せた時にはわからなかったことでした。
左が90㎜幅で右が120㎜幅のフローリングです。好みだとは思いますが、90㎜幅は少し大人しい感じがして、もう少し幅広の方が良い気がしました。樹種によって違うのですが、90㎜より幅広のものは120㎜、130㎜、150㎜の三種類がありました。幅が広くなればなるほど、立派な印象を受けました。150㎜幅のフローリングにするとかなりインパクトがありそうです。しかし、150㎜幅はお寺の床板のような印象を受けるという妻の意見を聞き、120㎜〜130㎜幅程度のものとすることにしました。

ウレタン塗装とオイル塗装
仕上げは現場塗りを想定した無塗装と、ウレタン塗装とオイル塗装があります。現場塗りは想定していなかったので、ウレタン塗装とオイル塗装からの選択となりました。見た目には両者の差はほとんどないです。
ウレタン塗装はウレタンで木をコーティングするので木の呼吸がなくなります。コーティングなので、水分は弾かれ、オイル塗装より清掃性は良いです。ただし傷がついた時の補修は難しくなります。
オイル塗装は、オイルを含浸させるので、木の呼吸があり調湿効果があります。水分は弾かれるのですが、長い時間ほっておくと染み込み汚れとなります。削ることができるので、傷がついた時は補修が効きます。
両者一長一短ですが、扱いやすいのはウレタン塗装だと思います。
今回は設計者として違いを実感したいこともあり、2階をオイル塗装、3階をウレタン塗装としました。

住み始めてわかったことは、水が飛ぶ可能性があるところは、オイル塗装のフローリングとしない方が良いということです。脱衣洗面室がオイル塗装のフローリングとなっているのですが、床がなんとなく薄汚れてきました。気をつけているつもりなのですが、洗面台などからほんの少しですが水が跳ねたりするのでしょう。それをスリッパなどで床に擦り付けて薄汚れとなるようです。
ウレタン塗装は傷に弱いです。椅子などの脚を引き摺ったのでしょう、白い傷がフローリングについているのを見つけました。これがきっと補修がしにくい類の傷ということだと思います。それほど目立つものではないですが。

無垢と複合
フローリングは、無垢材と薄い突板を表面に貼った複合フローリングがあります。ミハマ通商の複合フローリングは、突板の厚みが2ミリあるので、見た目や質感は無垢フローリングと同等の重厚さがあります。自宅のフローリングはメープルの複合フローリングとカバの無垢フローリングが最終候補となったのですが、妻の意見でカバの無垢材となりました。初めての冬でわかったことは、無垢材の場合冬はフローリング間に結構隙間ができるということです。自宅は2階と3階が大きく吹き抜けているのですが、重力差で乾燥した暖かい空気が上にいき、湿った冷たい空気が下に行きます。そのため3階のフローリングが乾燥して縮み、フローリング間の隙間が目立つようになりました。複合フローリングだとここまで隙間は目立つことはなかったと思います。妻はその隙間にゴミが入り込むのがかなり気になるようでした。しかも手持ちのロボット掃除機では取りきれないとのことで、先日ヨドバシカメラでダイソンの新しい掃除機を買う羽目になりました。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら