隣地境界沿いの塀や擁壁1

・2m以下の擁壁については法的な対応は求められない
隣地とのレベル差がある場合は、擁壁で段差処理がなされています。先日現場が始まった計画では隣地が1m程度低くなっており、敷地側に古い擁壁がありました。設計をするにあたり、この扱いが気になったので、役所に確認にいったところ、2m以下の擁壁については法的に対応が求められることはないことがわかりました。確かに建築基準法では、工作物申請が求められるのは2m以上の擁壁についてです。

・万年塀は取り替えた方が良い
既存擁壁の上には古い万年塀がありました。この万年塀について隣人が不安を感じているという話を間接的ではありますが聞いていました。構造事務所に見解を聞いたところ、万年塀はコンクリートブロック塀より強度がないから残置しない方が良いとの判断でした。近年控え壁が適切でない等で現行法規に不適格なコンクリートブロック塀の扱いは厳しくなっており、新築時には是正が求められます。
万年塀については建築基準法での定めがないので是正を求められることはない可能性が大きいのですが、構造事務所の判断に従い、アルミフェンスに取り替えることにしました。

・RCでの擁壁の作り直しの費用と鉄骨補強の費用の比較
現場が始まると隣人から古い擁壁自体の作り変えを求められました。既存の大谷石からアルミフェンスへ取り替えているので倒壊のリスクは大きく減っているはずです。法的に作り直さなければならない状態でないことを説明しましたが、施主にこのお願いを伝えて欲しいと言われ協議をしました。
高さ1mほどのRC擁壁を11.5m作る見積もりは147万(諸経費・税込)とそれなりの金額となりました。
構造事務所から鉄骨による補強の案を出してもらいこの見積もりが40万(諸経費・税込)。費用はかかりますが、RCの擁壁の費用とは大きく違います。



溝型鋼による補強。接着系のアンカーでコンクリートの塀を固定。

・壊れないとは思うが保証はできない補強案
施主は隣人とのこれからのお付き合いを考えるとゼロ回答は避けた用が良いと判断しました。
そして費用を勘案して鉄骨による補強案を選ぶことにしました。この案は既存擁壁の状態をだれも保証できないので、万が一の倒壊の時の施主に責任が生じるリスクはありますが、費用を考えると仕方がない判断かもしれません。