玄関ホール_土間

自宅の玄関扉を開けると、2階に上がる鉄砲階段があらわれます。

階段を登り2階に上がると、広くて吹き抜けのあるタイル張りの土間が現れます。ここが自宅の玄関です。
ホテルのロビーは訪れる人を受け入れる大きな空間となっています。玄関をそんな空間にしたいと考えました。

玄関の吹き抜けには階段があり、3階のリビングに繋がります。

1階の階段から玄関までは明るい屋外のような空間としたいと考えました。階段上に4つ玄関上に2つトップライトを設け天空光を取り入れることにしました。
大学と大学院で、私はアトリウム空間を論文の対象をしました。アトリウムとは、エントランスホールなどに設けられるガラスを多用した吹き抜けがある開放的な空間のことです。都市的な少し華やかな空間で、その華やかさに惹かれて論文の対象にしたのだと思います。設計当初は意識しなかったのですが、学生時代から好みの空間は変わらないのだなと改めて思いました。

玄関ホールには、大きな腰高の下足入れを造作で作りました。玄関で手が洗えるように洗面ボールを下足入れに組み込みました。また玄関ホールも居室的に使いたいと思ったので、床置きのエアコンも下足入れに組み込みました。置き家具として4人程度が座れるテーブルを置きました。緑も星いいと思い、2.5mの高さの大きな鉢植えも置いています。
下足入れの上に小ぶりのオーディオを置きました。好きな音楽を聴きながら寝る前の一杯をここで楽しんでいます。

住み始めたからは色々と想定外のことが起きています。設計では2階の玄関で靴を脱ぎ上り框から上足とする予定でした。今は1階の階段前の小さな土間で靴を脱ぎ1階の階段から上足に履き替え暮らしています。上足で土間空間を使いたいという家族の意見が優先されました。
階段への落下防止の手すりは家屋にはちょうど良い物干し竿に見えるようで、時々洗濯物がぶら下がっています。
土間は濡れた傘をかわかす場所として使われていたり、いろんな使われ方をしていますが、便利な半屋外空間として活躍しています。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら