あたりまえの暮らしサポートセンター見学

先日、日本社会事業大学の井上由起子さんのお誘いもあり、「あたりまえの暮らしサポートセンター」の見学に行ってきました。デイサービスセンターなどの複合機能を持つ2018年の医療福祉建築賞の受賞作品です。

建物は、周りに建っている住宅とスケールも変わらず、また奇抜なデザインに走っていないので、周囲に溶け込んだ普通(=当たり前の)の佇まいでちょっと見ただけでは、福祉施設とはわかりません。当日は、設計をされたわくわくデザインの八木稔文からの建物の説明がありました。
分棟型となっていることが建築計画の上での一番の特徴です。最近の福祉施設計画のトレンドの一つとして、分棟化があるようです。小さな建物の集まりは地域に溶け込みやすく、地域と施設の間にある垣根を取り除きやすくなるようです。一敷地一建物という原則があるのですが、それをどのように解決したかを設計者に聞きました。四つある建物のうち、三つは用途上分けられないものとして、一つの敷地に建てることが許可されたそうです。残りの一棟は認められるのに時間がかかりそうであったため、別敷地として申請されたようです。
見学会後の質疑応答の中で話がありましたが、「あたりまえの暮らしサポートセンター」という名前が全てを説明している施設です。気負いのない建物の佇まいは、その名前を当然意識してものでしょう。また利用者一人一人のできることややりたいことを大切にしている職員の姿勢は、人として当たり前の生活をさせたいという施設の理念が滲んだものでした。
そんな細かい対応を通常の人数で対応されているというお話でしたので、職員一人一人の負荷も大変なのではというのは後で思ったこと。その負荷を支えるモチベーションについて質問できなかったのが残念です。
見学会の後は建物のある佐久平から一時間半をかけて電車で移動をして富岡製糸場を見てきました。



とにかく大きい建物でした。柱や梁のスケールが全く住宅のレベルとは違います。屋根の架構が印象的です。一時間程度のツアーがあるので、時間がある場合はおすすめです。
帰り際に見た建物です。いずれも富岡製糸場から歩いていけます。
富岡市役所。2018年に竣工した隈研吾さんの設計による建物です。これも分棟であることがミソになっているようです。木とアルミを使い表裏で表情が違うルーバーが建物を覆っています。

上州富岡駅。2018年に進行したTNAの設計による建物です。2015年に日本建築学会賞を受賞しています。