隣地への立ち入り_民放第209条(隣地の使用請求)

ある物件で、最近隣人とのやりとりが続いています。敷地と隣地との間には高低差があり、敷地側に大谷石やコンクリートの擁壁があり、その上に万年塀が作られていました。今回の計画では一部を取り壊し新しく隣地側にコンクリートの擁壁を作り、その上に木塀を作ることになっていました。そのための隣人との話し合いです。

まず隣地への立ち入りですが、法的には、民法209条に工事に必要な範囲で、隣人の承諾のもとで可能となることが記載されています。
隣人が承諾しない場合ですが、裁判の判決を持ってその承諾にかわるものとすることができます。

以上のことを確かめた上で話し合いに臨みました。隣人は敷地側の既存擁壁に合わせて門扉やガスメーターを設けているのですが、今回の計画では敷地側に不要な部分の擁壁であるため撤去の予定でした。
隣人はその部分に何らかの塀をあらたに敷地側に作ることを条件に、隣地への立ち入りを認めるという交渉をしてきました。

早めの解決を望む施主は相手の条件をのみ、そのための追加費用が施主に発生することになりました。

裁判をしたら勝てたケースかどうかはわかりません。しかし面倒な裁判をするくらいなら、隣人に対する少々の対応はするというのが通常の判断になると思います。
この隣人には敷地内既存家屋の解体時に、色々と迷惑をかけたようで、その部分で心象を悪くしたのもこちらに不利なところでした。
隣地への立ち入りはデリケートな面があるので慎重に話を進めた方が良いということを学びました。


「第209条(隣地の使用請求)」
①土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。
②前項の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる