工務店をどのように選んでいるかについて。相見積もりか特命か
現在工事が進んでいる埼玉の木造2階建て住宅では工務店選びに苦労しました。2社を随分前に押さえ相見積もりを予定していたのですが、相見積もり依頼の段階で一社が断ってきました。
聞くと現場監督が一人急に辞め、予定していた棟数をこなせなくなったとのこと。おそらく場所も遠く工事価格もそれほど大きくないことで、切られることになったのだと思います。
急遽知り合いの設計事務所から紹介してもらった数社の中の一社にご対応いただけることになり、乗り切ることができました。急に見積もりをお願いして、引き受けてくれるところなんてなかなかいません。設計事務所受けが良い工務店はどこも仕事が集中しており、3〜4ヶ月前には声をかけておいた方が安心です。
見積もりは、付き合いがある信頼できる工務店であれば一社の特命、又は二社ぐらいで良いと思っています。仕事を始めた頃は、とにかく安い見積もりをということで、数多くの会社に当たったこともあります。しかし仕事を続けて分かったことは、内容が的確に伝わる図面があれば、信頼できる工務店が作った見積もりは大体どこも同程度の金額であるということです。
信頼できる工務店というのは、設計事務所の仕事を継続して続けている工務店と言い換えても良いと思っています。設計事務所の住宅の仕事は難易度が高く、その中で利益を上げながらコストコントロールをして事業が継続できる工務店は一握りだと思います。
図面がしっかりしていれば、その一握りの工務店が作る見積もりは、そんなに開きがあるものにはならないです。一握りの工務店は正しく図面を拾うことができます。拾われた数量に対する単価は各社でそんなに変わるものではないです。あとは各社の利益の設定ですが、高過ぎれば仕事がとれないでしょうし、安過ぎれば事業の継続ができないでしょうから一定の幅に留まっていると思います。
見積もり作業というのは、3週間程度の時間を要する、工務店側にとってもそれなりに大変な作業です。なので受注率が低くならざるを得ない相見積もり案件は特命案件より経費を高く設定するという工務店もあります。であれば、信頼できる工務店の中から、場所などの工事条件からこちらで適切と思われるところを、1社か2社選んでお願いするのが良いのではないかと考えるようになりました。
自宅(参宮橋の螺旋住戸)の見積もりは、江中建設に特命でお願いしました。場所を考えると江中建設が思い浮かび、江中建設であればぜひお願いしたかったので、匿名で良いと思いました。
写真は北千束の家。これ以来多くの住宅を江中建設にはお願いしてきました。
ここ何回かは、2社での見積もりとしています。2社見積もりは、二つの見積もりの比較により、拾い落としや数量の大きな狂いがないかを確認できます。
今はもうご自身の年齢を考え新築を引き受けてくれなくなりましたが、千葉の大日ハウジングの本名さんには随分とお世話になりました。
こちらは一番最初にお願いした稲毛の家。それ以来、千葉方面の仕事や本名さんの都合がよければ時には東京東部の仕事をいつも匿名でお願いしていました。大日ハウジングさんは本名さんが一人で切り盛りしている一人親方の工務店です。ご家族さえ暮らしていければ良いというお考えで、利益率の設定が全く違うようで、ここに見積もりで勝てる工務店はいませんでした。最低限の施工図しか出てこない工務店でしたが、図面や意図を理解していただく能力がとても高く、施工図がなくとも話をすれば、こちらの意図を汲み取った仕事をしてくれる人でした。仕上がりに不満があったことは数少ないです。こんなタイプの工務店があればとは思うのですが、特に東京ではなかなかないですね。本名さんのような方を見つけることができれば、本当にお得だと思います。
しかし基本的には極端に安い工務店には気をつけた方が良いと考えています。一人の現場監督が異常な数を担当していたり、下請けの質が低かったり、それなりの理由があります。選ぶ場合はそのリスクを引き受ける覚悟が必要だと思っています。
著者情報

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私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら

