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稲毛の家 千葉市稲毛区 高天井の窓から光を取り入れる木造住宅

周囲の視線が気にならない家 高窓から光を取り入れる スタイリッシュな外観 玄関へのアプローチ 吹き抜けがあるリビング 黒い床と天井は濃い茶に調色したリボス塗装 白い壁と天井は砂漆喰 階段とブリッジ ブリッジと階段 キッチンにはダウンライト 小上がりの畳スペース 南の庭へと視線が抜けていく 中庭の引き違い窓 下から上へと風が抜ける中庭 2階の中庭 北側の高窓から光が入り込む グレーの床材はコルクリノリウム 天井が連続する空間 構造材のあらわし天井 天井との間を透かせて間接照明 高天井の窓からの採光 中庭の夜景 中庭の窓 稲毛の家 千葉市稲毛区 高天井の窓から光を取り入れる木造住宅
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計画地千葉市稲毛区稲毛東
期間2006.10~2007.05(設計) 2007.06~2007.12(施工)
敷地面積146.26㎡
建築面積79.58㎡
延床面積133.66㎡
規模・構造地上2階・木造
設計・監理角倉剛建築設計事務所
山田構造設計事務所
ソノベデザインオフィス
施工大日ハウジング
外部仕上げ屋根 / ガルバリウム鋼板竪平葺き、FRP防水
外壁 / ガルバリウム鋼板平葺き、砂漆喰塗り
開口部 / アルミサッシ
内部仕上げ床 / ナラフローリング、コルクリノリウム
壁 / 砂漆喰塗り
天井 / 杉小巾板、砂漆喰塗り
その他第21回千葉市優秀建築賞受賞
写真撮影 吉田誠

2階の中庭から光を取り入れる住宅

三方を囲まれた南北に細長い敷地

この住宅は稲毛駅近くの住宅が建て込んだ場所にあります。敷地は南北に細長く巾7m奥行き21m、北側が道路に接しています。三方を建物に囲まれた敷地において、周辺環境に頼ることなく、光と風の取り方を、建物の形でコントロールすることを設計のスタートとしました。

断面計画

断面がわかるようにした模型です。建物は木造2階建ての40坪弱の大きさで、1階に大部屋のリビングダイニングを配置しています。2階は、南北方向に5分割し、三つの個室を割り振っているのですが、残りを中庭と吹抜けとし、個室の一つを天井の高い個室としています。
建物は全体的に北によせ、南に庭をとっています。2階を北側道路に張り出させて、その下を駐車場としています。南の庭に対しては、1階の庇と壁をトンネル状に突き出し、夏の直射日光を遮ることを考えました。

中庭

中庭の夜景となります。この中庭は、空しか見えない、プライバシーが高いスペースとして設計しました。真正面に見えるのは、中庭に入る出入り口、右手は吹抜けを介して、1階リビングと繋がります。右手の奥は、本棚を伴うライブラリー。左の窓の奥には主寝室があります。

仕上げと色について

主寝室を見たところです。正面の窓の奥に、先ほどの中庭があります。天井は黒く着色した杉板で仕上げ、20wの小さなダウンライトを数多く使いました。白い壁は、砂を入れて少し強くした漆喰で仕上げています。床に関しては、リビングやダイニング等は天井と同じ色の焦げ茶で塗装された、フローリングを使い、個室のグレーに見える床材はコルクが入ったリノリウムで、少し柔らかい材料を使いました。濃い焦げ茶はクライアントが持っている家具の色に合わせて考えました。仕上げ材は「味わい深い材料を使って欲しい」という要望をもとに考えました。

高窓

高窓の下のライブラリーから、中庭の方を見たところです。高窓がほんの少し見えています。左手は、来客が宿泊することもできる予備室。予備室には反対の南側の高窓から光がはいるようになっています。

二種類の天井がある予備室

ライブラリー左手にある予備室です。天井の意匠は二つに切り分けて設計しています。吹抜けと一体感が出るように、低い茶色の天井を吹抜けから連続させました。右手の高い天井は、ライブラリーにまたがるようにかけられ、欄間を通して、ライブラリーと一体の空間と感じられます。このスペースはリビングとライブラリーの意匠が混じり合う場所として計画しました。

吹き抜けから見る中庭

1階の吹抜け部分から中庭の窓を見ています。上に見えるのは、吹抜けに架けられたブリッジ、その奥が玄関です。左手に見えるのが対面型のキッチン。その裏に浴室等の水回りがあります。キッチンの天井をできるだけ下げて、リビングと中庭の距離感が近くなるように計画しました。

北側窓の安定した光が入る吹き抜け

吹き抜けに面した2階の予備室には大きな白い壁を設けました。北側の窓からの光を拡散させ、吹抜けを一定の明るさに常に保つことを考えました。吹抜けの下はダイニングです。その先のリビングの天井は、キッチンとは逆に高くして、中庭と一体感が出るようにしました。
左に見えるのは、リビング横の和室となります。お子さんが小さい間は、皆さんでお休みになる部屋として使うことが考えられています。
1階の奥のカーテンの先は南の庭です。リビングは南北の両端に庭を持つL型断面形状を持った部屋として計画しており、二つの窓から異なる種類の光を取り入れ、重力換気による通風を取り入れることを考えています。

今回の設計においてクライアントの大きな要望は、まずはたくさんの個室が欲しい(和室を含めて4つ)。そうではあるのだけど、個室で細分化された家ではなく、全体として、どこにいても一体感が感じられる家として欲しいということでした。
この住宅は、建物のボリュームを操作することで、光と風の取り入れることを設計のスタートとしましたが、その検討の中で、このご要望にも応えようとした結果の建物であると考えています。

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