ずれた箱で作られたローコスト住宅
擁壁への負担を減らす断面形状
崖地に切り替わる高台にある住宅です。北側隣地が、敷地より1.5mほど低く敷地には擁壁が作られていました。擁壁に対しての土圧の負担を軽減するため、北側に配した子供室を半地下として、天井が高くなった子供室にロフトを設けました。建坪率と容積率を使い切ることを考えた結果、上下に重ねた羊羹を前後にずらしたような建物形状として、2階の両端にバルコニーを設けました。2階のLDKは両端にバルコニーがある風通しの良い部屋となっています。
計画地 | 川崎市高津区 |
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期間 | 2006.10~2006.11(設計) 2006.12~2007.3(施工) |
敷地面積 | 85.47㎡ |
建築面積 | 41.90㎡ |
延床面積 | 68.36㎡ |
規模・構造 | 地上2階・木造 |
設計・監理 | 角倉剛建築設計事務所 山田構造設計事務所 ソノベデザインオフィス |
施工 | (株)一吉建設 |
外部仕上げ | 屋根/FRP防水 壁/ガルバリウム鋼板小波板、サイディング |
内部仕上げ | 床/コルクリノリウム、カバフローリングリボス塗装 壁、天井/ラーチ合板OS拭き取り、ビニールクロス |
崖地に切り替わる高台にある住宅です。北側隣地が、敷地より1.5mほど低く敷地には擁壁が作られていました。擁壁に対しての土圧の負担を軽減するため、北側に配した子供室を半地下として、天井が高くなった子供室にロフトを設けました。建坪率と容積率を使い切ることを考えた結果、上下に重ねた羊羹を前後にずらしたような建物形状として、2階の両端にバルコニーを設けました。2階のLDKは両端にバルコニーがある風通しの良い部屋となっています。
前面に駐車場をとり、条例で定められた隣地境界線からの1mのセットバックをとり、建蔽率一杯の配置をすると建物の位置は、ほぼ自動的に決まりました。外装のほとんどは、シルバーのガルバリウム鋼板小波板としてコストを抑えています。バルコニーは、サイディングの大壁工法(目地がない工法)として、白く塗りました。屋根はFRP防水を使った陸屋根としています。駐車場から階段を2段あがった先に玄関があります。
玄関扉を開けると螺旋階段があるホールがあります。全ての部屋はこのホールから出入りします。螺旋階段右手は6段下がって子供室があり、左手は主寝室です。正面2つの扉はトイレと水廻り、螺旋階段を上がるとワンルームのLDKとなります。
玄関から6段下がった位置にある子供室。1.88mの天井を潜るように進むと、3.5mの天井高のスペースに出ます。ここには幅一杯の机があり、低い天井の上のスペースはロフト空間です。この部屋を男の子二人で使います。壁と天井の仕上げは全てラーチ合板です。
螺旋階段を上がったところがリビングです。階段隣の天井までシナ合板で貼り上げられた壁は耐力壁で、裏のダイニングの収納や机と一体の造作として作られています。
設計2ヶ月・施工4ヶ月のとてもスケジュールが短いプロジェクトでした。
ローコスト,リノリウム,木造,二階建て,高台,ロフト,螺旋階段