House

公園前の家 東京都品川区 五角形ベースでボリュームを作った鉄骨造の3階建て住宅

公園に挟まれた自然に溶け込む家 公園の樹木越しに見るファサード 公園から見た外観 公園から見た外観 公園前の家 東京都品川区 五角形ベースでボリュームを作った鉄骨造の3階建て住宅 変形敷地での複雑なボリューム 横長の窓があるファサード 横長の窓がある3階建て住宅 照明で浮かび上がる開口部の形 横長の出窓 白いタイル張りの明るい玄関 MIO塗装で塗られた玄関扉 開放感があるスケルトン階段 光を通す階段のグレーチング踏み板 キッチンの大きなステンレスの天板 フローリングは濃い色のウォールナット スケルトン階段で空間に広がりを 折れ曲がった窓で特別感 スケルトン階段で光が抜けていく 窓の奥にはテラス ライトで優しい雰囲気を演出 夕方のリビング 緑がよく見えるリビングの窓 踊り場から入るトイレ リラックス出来る空間 テラスに向かう明るい階段 中庭と一体となったワンルームのスペース 寝室から40センチ上がったスペースの書斎 大きなガラスがある浴室
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計画地東京都品川区
期間2010.2~2010.12(設計) 2011.1~2011.7(施工)
敷地面積51.01㎡
建築面積35.23㎡
延床面積95.48㎡
規模・構造地上3階・鉄骨造
設計・監理角倉剛建築設計事務所
山田構造設計事務所
施工小川建設
外部仕上げ屋根 / シート防水
外壁 / 押出成形セメント板等
開口部 / アルミサッシ
内部仕上げ床 / フローリング(アジアンウォールナット)、タイル
壁 / 塗装
天井 / 塗装
その他写真撮影 吉田誠

様々な方向へ広がりを持つ住宅

外部空間を生かした開放的な家づくり

計画地のあるエリアは、下町の密集した住宅地ですが、その一角にある公園は、江戸時代前期の武家屋敷庭園の跡地であり、この地域の貴重な空地となっています。計画地は狭い敷地ですが、道路越しに公園の緑地に面してます。この開放的な環境を生かした家造りができると考え、クライアントはこの土地を取得しました。同時に売り出されていた計画地東の敷地は、品川区の防災公園として整備されることになり、敷地は二つの公園に面することになりました。また設計の過程で、敷地内に「駐車場」と「テラス」という二つの外部空間を設けることになりました。公園と合わせた四つの外部空間を生かした、開放的な家造りを設計の出発点としました。

五角形の変形敷地

敷地形状と法規制の制限の中で、必要となるボリュームを検討すると、五角形の平面と五角形の断面を少し歪に組み合わせたような形状にならざるを得ないことが分かりました。五角形は、四角形から一辺増えただけですが、前後左右という限定的な二方向から解放され、随分と方向性が豊かになります(様々な方向に部屋を向けることができます)。
階ごとに異なる方向にある「外部空間」への広がりをもたせることを考え、開口部の位置と大きさを決めていきました。

1階には、ビルトインの駐車場と玄関と水廻りなどがあります。玄関と駐車場との間は、スチールで作った大きなフィックス窓となっています。それほど大きくない玄関ですが、視覚的な広がりがあることで、ゆとりがある空間となっています。玄関からは、黒いスケルトン階段で2階のリビングに上がっていきます。正面の玄関扉と側面のフィックス窓はL字型のスチールサッシとして一体のもので作られています。玄関扉の右横には、郵便受けが組み込まれています。

2階は、小高い戸越公園と、ほぼ同じ高さにあります。また、丁度正面に池があるため、樹木に囲われた公園でありながら、奥までが見通しが良くなっています。この位置に「くの字」に折れ曲がった横長の窓を設け、池を中心にパノラマ状に公園に対しての視界が広がるようにしています。またこの窓は出窓状にして、道路を歩く人から2階への視線を少し遮っています。
東の防災公園に対しては、大きな引き違い窓をとり、ダイニングスペースから防災公園への広がりが感じ取れる空間としています。ダイニングスペースの外にあるバルコニーには金網状の手摺壁があり、ツタ類の緑のカーテンで、軽やかに防災公園からの視線を遮ります。2階からは2つの公園への広がりか感じられます。

3階には、南にガラス貼りのテラスを設けました。3階にある寝室と書斎はテラスを介して視覚的に繋がるような位置関係にあります。またテラスは、2階上部の吹き抜けに面しているので、二階に対して南の光を届けることができます。2階から3階は4っつの床レベルがあり、断面方向に分断されない、全体が緩やかに繋がるインテリアとしています。吹き抜けを介し、異なる広がりの方向をもつ様々なレベルを同時に感じ取れる豊かな空間を作ることを意図しました。

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