荒川の家 東京都荒川区 水平方向の広がりを強く感じる３階建ての家

狭い間口の木造３階建

間口が狭く奥行きが長いウナギの寝床状の敷地

品川の家とほぼ同時に設計を開始した、木造３階の住宅。共に、間口が狭く奥行きが長い、ウナギの寝床状の敷地です。(荒川は4.4m×15.7m)」また「１階に駐車場」「３階に中庭」という作り方も共通のものとなりました。
共に１階の一部をRC造で造ることにより、木造の耐力壁を取り払い、駐車場を確保するという、構造の上でも共通の作り方をしています。荒川の家では、コンクリートの腰壁を立ち上げ、少し閉ざされたバルコニーとしました。
荒川の住宅は第三種高度地区であり、斜線制限の規制が緩いので、３階まで斜線に関係なく作ることができました。幅3.64m奥行き11.39m高さ8.79mの黒いガルバリウム鋼板小波板で覆われたボックス状の建物です。

玄関からバイクが見えるにバイク置き場

荒川の家の１階には駐車場とバイク置場、玄関と予備室があります。大切なハーレーを守るため、バイク置場にはシャッターをつけています。室内側からもバイクが見えるように、玄関とバイク置場の間はアルミサッシとなっています。開口部の隣の木製扉の中は、靴や傘がしまえる玄関収納です。玄関から折り返すように鉄骨の階段があり、２階のリビングに上がります。

稲毛の家と同じような空間構成

２階に上がると、吹き抜けで３階に繋がるリビング・ダイニングがあります。３階の中庭から吹き抜けを通して北側からの安定した自然光が入ってくるので、日中は安定した明るさで満たされています。お施主さんは、稲毛の家を自ら訪問され、そこで見た上階の中庭から吹き抜けを介して光を取り込むという空間の作り方を望まれていました。稲毛の家と同様、この家でも中庭の下がキッチンとなっていて、その奥が浴室などの水廻りとなっています。壁と天井の仕上げ材は砂が入った漆喰、床はタモのフローリングです。

家族皆で使う大きな寝室

３階には8.7畳の家族がみんなで使う寝室があります。当初は壁で閉ざされた個室として計画されていましたが、現場に入ってから、吹き抜けに対してオープな部屋に変更されました。引き戸で閉ざすこともできますが、引き戸を開けはなつと下のリビング・ダイニングと一体の空間として使うことができます。吹き抜けの向こうが中庭、その奥が個室となっています。今は家族４人でこの寝室を使っていますが、子供の成長と共に、３つの寝室の使い方を変えていくことがこの家では想定されています。