平屋と2階建を土間で繋げた二世帯住宅
二つの庭に面した二つの棟
敷地は、のどかな農村風景を所々に残しながらも、住宅地や巨大な郊外型店舗等にその質を変えつつある地域の一角にあります。敷地の北西側には、建主所有の大きな緑地が広がり、今回の計画地と一体のものとなっています。緑地は、木々が植えられ、いくつかの東屋や池が作られ、自然の中の一風景を再現するかのように作られた「大きな庭」です。ここに二軒の家が並ぶように建つ親子二世帯の住宅を作ることになりました。
計画地 | 千葉県成田市 |
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期間 | 2013.1~10(設計) 2013.11~2014.5(施工) |
敷地面積 | 591.37㎡ |
建築面積 | 254.06㎡ |
延床面積 | 276.94㎡ |
規模・構造 | 木造2階建て |
設計・監理 | 角倉剛建築設計事務所 山田構造設計事務所 Lapin建築設備工房 ソノベデザインオフィス |
施工 | 大日ハウジング |
外部仕上げ | 屋根/ガルバリウム鋼板平葺き 外壁/ガルバリウム鋼板平葺き、左官 |
内部仕上げ | 床/ナラフローリング、玄晶石 壁/左官、塗装、クロス 天井/羽目板、左官、塗装、クロス |
その他 | 写真撮影 吉田誠 |
敷地は、のどかな農村風景を所々に残しながらも、住宅地や巨大な郊外型店舗等にその質を変えつつある地域の一角にあります。敷地の北西側には、建主所有の大きな緑地が広がり、今回の計画地と一体のものとなっています。緑地は、木々が植えられ、いくつかの東屋や池が作られ、自然の中の一風景を再現するかのように作られた「大きな庭」です。ここに二軒の家が並ぶように建つ親子二世帯の住宅を作ることになりました。
建物の平面形は、細長い形状とし緑地側の敷地境界線に寄せ、「大きな庭」と南東側にできる「小さな庭」に挟まれるように計画しました。
「小さな庭」は、街との間のバッファーゾーンであり、日々の家への出入りの場でもある日常的な空間で、大らかな自然を楽しむ非日常的な空間である「大きな庭」とは性格が異なるものです。
平面構成は、北東側に「子供棟」、南西側に「親棟」を配置し、その間を結ぶように「小さな庭」から「大きな庭」に通り抜けが出来る「土間」を設けています。
性格の異なる二つの庭と二つの棟、そしてそれを結びつける「土間」から二世帯の住環境を作り上げています。
二棟の間に、明るい土間空間があります。玄関の扉を開けると、正面に庭への出入り口が見え、ガラス越しに庭の気配を感じます。壁は白い砂漆喰、床は玄昌石、天井はあらわし天井です。左手には親世帯の扉があり、ベンチと収納の奥には子世帯の勝手口があります。
親世帯は平屋となっています。基本的に繋がりのあるワンルーム空間であることが求められ、寝室や浴室・トイレなどの水廻り以外は一体の空間として計画しています。南側にLDKと寝室を、北側に書斎と和室と浴室・トイレ・洗面を配置しました。南の部屋と北の部屋の繋がりを良くして、南のLDKにいても北の庭のを楽しめるようにしています。
子世帯は二階建てです。親世帯は、レベルのないワンルーム空間でしたが、子世帯は、道路と庭のレベル差を生かして、4つの床レベルがあるスキップフロアーとしています。玄関から北側の庭に面したダイニングルームに入ります。ダイニングルームの西側にはセミオープンのキッチンがあります。ダイニングから35センチ上がったところが、南側の庭に面したリビングルームで、二階北側の部屋が吹き抜け越しに見渡せます。リビングルームの西側に和室があります。オープンな階段の踊り場の横に一つ予備室があります。階段の先には将来二つに分けることができる子供室、主寝室、書斎があります。二階のいずれの部屋も北側の庭が良く見える部屋となっています。
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