Work deatil

公園前の家

2017
個人住宅
ブログにも詳しいことを記載していますので、よろしければご覧ください。
http://smkr.jp/blog/category/tokiwadaira/

「集い方のデザイン」

・集い方のデザイン
住宅は大雑把に言うと「nLDK」の言い方が示すように、n個の個室と家族が集うLDKという二つの集い方の組み合わせで作られる。集い方の組み合わせを見直すことで、住宅のあり方を少し変えることはできないか。

・近隣の集いの場としての公園
敷地は常盤平団地の造成とともに1962年に宅地開発されたエリアにある。このあたりは首都圏整備計画のグリーンベルト緑地帯に含まれていたため、緑や豊かなオープンスペースに恵まれた地域となっている。計画的にほどよく配置された公園は、地域ごとの交流の場だ。敷地から道路を隔てた南側にも、緑豊かな公園があり、近隣の親子連れが集う格好の遊び場となっている。敷地は新たに購入されたものだが、建て主の元々の住まいも近くにある。建て主は子育て世帯であり、子供を介した知人友人も、この公園をよく訪れる。
建て主は周囲に対して開かれた家づくりを望まれていた。私たちは公園の緑豊かな自然環境を享受するだけでなく、公園に集う近隣の知り合いとの、少し踏み込んだコミュニケーションのきっかけを作る家づくりを考えた。

・三つの集いの場
<ホール・・・・・・・・・・家族と近隣の集いの場>
靴の履き替えや、荷物の受け取り、簡単な立ち話等といった機能だけで考えれば、玄関は2畳もあれば十分だ。しかしここではそのスケールを変え、広さ12畳天井高4.1mの「ホール」とした。「ホール」の周りの縁側のようなスペースの奥は子供室と洗面室だ。子供室の引き戸を全開すると「ホール」と繋がり近所の子と遊ぶ「大きな子供室」となる。子供を介して大人も集まり、「ホール」は家族とご近所の集いの場となる。
<LDK・・・・・家族を中心とした賑やかな集いの場>
2階には20畳天井高2.2〜3.8mのLDKがある。家族は1階の個室から「ホール」を介してこのLDKに集う。LDKはこの家で一番賑やかな集いの場だ。家族は共に食事をし、語らう。時には親しい友人知人を招くこともあるだろう。
<ライブラリー・・・・・・・家族の静かな集いの場>
2階上部には6畳天井高2.5mのライブラリーがある。大きな机と壁面一杯の書棚が設けられ、電子ピアノが置かれた、家族皆で使える趣味のスペースだ。トップライトがあり、大きなハッチを開けると屋上テラスに出ることができる。皆が思い思いのことをしながら集まっている、図書館のような静かな家族の集いの場だ。

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三つの集いの場は、半階づつずれた位置関係にある。境界面にある建具を明け放つことで、三つの異なる集いの場が繋がり、集い方の多様さが生活に豊かさを与えていることが感じとられる。それは「nLDK」の住宅にはない豊かさだ。集い方の枠を広げ、見直した結果の豊かさだ。

引渡し前に開催したオープンハウスでは、こ近所の家族連れで「ホール」は一杯となった。これからも「ホール」が近隣との集いの場となり、建て主の望み通り、この家が開かれたものとなることを願っている。またそのことが公園を含めた周辺環境に何らかの良い変化の兆しをもたらすことも同時に願っている。
計画地
:千葉県松戸市常盤平
期間
:2016.5〜2016.12(設計) 2017.2〜2017.7(施工)
敷地面積
:159.10  m2
建築面積
:58.16  m2
延床面積
:114.23 m2
規模・構造
:木造2階建て
設計・監理
:角倉剛建築設計事務所
:山田構造設計事務所
:Lapin建築設備工房
:ソノベデザインオフィス
施工
:大日ハウジング
外部仕上げ
:屋根/ガルバリウム鋼板平葺
:外壁/ガルバリウム鋼板平葺、ピーラー
内部仕上げ
:床/フローリング (南波唐松)
:壁/砂漆喰
:天井/砂漆喰、ラワン合板
その他
:写真撮影 吉田誠
 
遠景
南の道路側に対して5mセットバックをして、駐車場としています。東側に引きを取り、庭を設けています。屋根はガルバリウム鋼板平葺き。最上部には屋根をえぐるように屋上テラスがあります。
 
外観
正面から見たところ。外壁はガルバリウム鋼板中波板。玄関扉と玄関周りの外壁には、ピーラーが貼られています。玄関ホール、リビング、ライブラリーに三つの同じ大きさの南面する窓が設けられています。リビングと書斎の窓には花台と庇が設けられています。
 
軒下
1階建物東側は、個室が三室並びます。個室の外側には外壁と軒裏にピーラー材が貼られた、軒下空間があります。2階の二つの窓には布団干し用のバーが設けられています
 
夜景
夜になると、開口部が浮かび上がります。開口部は、南側と東側に対して規則的に配置されています。
 
土間(玄関を見る)
ホールから玄関扉方向の見返し。12畳天井高4.1mの大きな空間です。ホールの高窓と玄関扉脇のガラスを通して公園の緑が見えます。
 
土間(奥を見る)
玄関扉からホールの奥を見ています。奥の1階は水周りで2階は和室。右手の1階は個室で2階はLDK。
 
土間(子供室を見る)
ホール奥から子供室方向を見ています。引き戸を開け放つと子供室とホールは一体となり、大きな子供室となります。
 
踊り場から見た土間
2階踊り場からホールを見下ろしています。ホールの上にはライブラリーが見えます。
 
LDK
LDKは、20畳天井高2.2〜3.8mの大きな空間です。右手の大きな壁には、ホール、ライブラリー、螺旋階段、ロフトに通じる開口部があります。
 
LDK(家具搬入後)
LDKに家具が入ったところです。手前のダイニングテーブルは、新築に合わせてお施主さんがセレクトしたもの。
 
LDK(家具搬入後)
カーテン類は、ものづくりの姿勢や人柄も含めて建主ご夫妻がファンである皆川明さんのファブリックを購入し、奥様が作られました。
 
LDK(家具搬入後)
LDKにおいてキッチン方向を見たところ。キッチンはラワン材での造作です。左手上にはライブラリーが見えます。
 
LDKから見た他の部屋
LDKの西側の壁に開けられた四つの開口部。
 
和室
ホール二階の奥にある和室からのホールの見返し。縁なし畳に青い和紙の壁紙。天井は、梁と合板があらわしとなっています。
 
トップライト
螺旋階段横に設けられたトップライトは効果的で、1階までを明るくします。
 
トップライト
1階からトップライトを見上げたところです。左手はホールの高窓。
 
ライブラリー
2階上部のライブラリー。梯子の上のハッチを開けたところ。ここから屋上に上がることができます。
 
ライブラリーからLDKを見る
ライブラリーにおいてLDKと螺旋階段を見返したところ。
 
ロフト
ロフト空間。収納スペースとして用意しました。お施主さんの考えで、LDK側にオープンな造りとなっています。見せる収納を目指すとのことです
 
洗面室
1階洗面室。建具を開け放ちホールを見た所。「トイレ、水周りであっても明るく眺めが良いということを優先したい」という建主のご意向がなければ、このようなオープンな洗面室にはならなかったと思います。
 
土間と子供室
右手が土間。左手が子供室。子供室と土間の間には、縁側のようなスペースがあります。
 
子供室
子供室から土間方向を見たところ。子供室には、机と本棚と収納が造作で作られています。