都内の住宅密集地にある細長い狭小敷地での計画。東西は家屋に挟まれているが、北側隣地より5.8mの高台にあるため、南側道路から北側への抜けが良い。建主は住宅密集地におけるこの抜けを得難いものと捉え、敷地を取得することを考え、事務所に相談にいらっしゃった。
敷地北側の崖地にある擁壁は所有者不明で資料がなく、構造計算による載荷重がわからないことが問題となった。それに対しては「新たに建てる建物により擁壁に追加の荷重がかからない」ことを示すことができれば、計画が可能であると判断した。
具体的には、先端支持杭をうち、建物を擁壁より下端で支えることを有力な方法として検討することにした。気になったのは、おそらくL型となっている擁壁の底盤に先端支持杭が当たる可能性であるが、こちらは既存家屋の撤去後の地盤調査で確認することとした。