鉄骨階段と手すりのディテール

木造の住宅であっても、階段や手すりを鉄骨で作る度とが多いです。鉄骨で作られた階段は軽快で、空間が軽やかになる気がします。

自宅の2階から3階に上がる階段は当初は木製階段とし階段下を収納として使う計画でした。しかし軽快な空間とすることを途中から優先して、鉄骨階段で軽やかに作ることにしました。今回は壁際の側桁は、6*220の鉄板として、壁の中に埋め込みその上から石膏ボードを貼り見えなくしました。吹き抜け側の桁は、100*50*5*7.5の溝型鋼として、踏み板の下に潜り込ませ、踏み板が浮き上がるようなディテールとしています。溝型鋼に対して垂直に手すり子を設けて手すりは作りました、手すりは鉄のフラットバー12*25の上にバーチ材24*40を載せかけて仕上げとしています。
吹き抜けに面した手すりに巾190の棚を取り付けてみました。これが結構便利で、下階に持っていくものを一時的にストックしておく場所になっています。
1階の階段と土間の間には転落防止の手すりがあります。こちらは端部に大きなRを使いました。設計では、100ミリの幅広のフラットバーで構成する手すりとしていました。壁と同じぐらいの厚みを持った存在感のある手すりにしてみようと思いました。またここも少し何かがおけたり座れるぐらいの感じが良いかと思っていました。しかし出来上がった姿を現場で見て、あまりに大きすぎると感じました。
コルビジェの手すりもそれなりの存在感があるのですが、インドのアーメダバードのでみた繊維業会館の手すりの幅を調べてみると70ミリ。

コルビジェのディテールは、力強いので70ミリ幅の手すりも似合うのですが、私の場合他のディテールが繊細な表現となっているので、ここだけ完全に浮いてしまいました。結局こちらで費用を負担して、32ミリ幅の手すりに取り替えてもらうことにしました。

32ミリにしたことでハンガーがかけられるようになったようで、この手すりが室内干しの物干し竿として使われることになるということは予想できませんでした。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら