繊細な鉄骨階段

代々木の二世帯住宅は先週末現場にサッシが届きました。
昨日現場に行ったところ、サッシは殆ど取り付けられて窓の位置がわかるようになり、だいぶ空間のイメージが沸くようになってきました。2階の一部が一層半あり気積が大きいリビングダイニングとなります。
木造住宅ですが軽快な空間としたかったので、階段は鉄骨で制作しています。
鉄骨階段は一昨日取り付けられたようです。単純な鉄砲階段です。少し繊細な印象の階段となることを意識して設計しました。側桁は少しだけ肉厚を上げ12ミリとして幅をやや小ぶりの120ミリとしています。段板は9×75断面のプレートです、仕上げとして30×220の断面のレッドウッドの集成材が段板に取り付けられます。
上り下りをしてみたのですが、手摺と段板がついていない今の時点の上り下りは結構怖いです。捕まるところがないのがその一因ですが、降りる時は段板がないので下までよく見えすぎて怖い。

二週間後に段板が取付けられました。
手すりも取付けられました。鉄で作られた手すりを覆うように木の笠木が取り付けられます。
今回ロフトへの階段は固定階段としています。しかし「ロフトの固定階段」で書きましたが、渋谷区が確認申請を審査する場合は現在は認められません。審査機関によっては独自の内規を持っているところもあり、固定階段をオッケーとするところがあります。
階段の距離が短くスパンが小さいときは稲妻階段とすることもあります。公園前の家では16×50の稲妻状の側桁でつくりました。稲妻状の側桁の場合ささらの幅でだいぶ印象が異なり、75ぐらいになると少し印象が重いなと私は感じます。

稲妻階段で注意したいのは階段の下に回った時に稲妻の出隅にぶつかる危険性があることです。側桁の意匠や階段の構造の選択はその都度の条件で総合的に判断をして決めるようにしています。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら