1階リビング案から2階リビング案へ

竣工写真がまとまったので、先週は公園前の家の資料をまとめる作業をしていました。一体どういったことを目指して設計しようとしていたのかというのは、設計しているときは、まとまった言葉にすることが難しいのですが、時間を置いて振り返ると、ようやく一つの考えとして、まとめられることが多いです。
今回は大きな土間となっている玄関ホールがキーポイントであることは、設計の時から明らかでしたが、それがどういったことを目指していたのかを改めて考え、ホームページにもまとめました。
案の経緯を考えれば、土間の提案は数多くの打ち合わせを重ねた上でようやく出てきた案。この案が出てきてから皆の合意が生まれ、一気に設計が進むこととなりました。
1階をリビングにしたいというのがお施主さんの、数少ないご要望の一つでした。子供室への出入りを1階のリビングを介するようにしたいというのがその趣旨でした。

1階リビングの頃の模型。個室の間に隙間を開け吹き抜けとした案です。
しかし、公園前の眺めを考えるとやはり環境が良くなるのは2階です。お施主さんのご要望とは反対となってしまいますが、数多くの1階リビング案をだした末に2階リビング案を出しました。セットとして同時に提案をしたのが1階の大きな土間空間。子供室の前にセカンドリビングとしても考えられる土間空間を作り、吹き抜けを介してリビングとも繋がり気配が伝わるという案です。屋根は外れませんが、その時の模型。なかなか前に進まなかった案がこれから一気に進むようになりました。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら

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