木造の2階のオーバーハング(跳ねだし)

これから現場となる千駄木の狭小住宅。延床面積22坪の3階建て木造住宅です。敷地は間口7.1m奥行き6.5m。建主の要望は1階は小さな車でも停められるようにしたいので、道路からできるだけセットバックとしたい。2階にはリビングを割り当て、できるだけ広くしたいというものでした。
その時の模型です。この段階では二階が1.5m跳ね出しています。天空率と容積率の制限の中でボリュームの割り振りをおこないました。木造の跳ねだしは、今まででは1間(1.82m)程度はおこなったことがあるので、特に問題ないと考えていました。

この住宅では耐震等級3を求められていたのですが、1.5mの跳ねだしだと、耐震等級1の確保も難しいかもしれないとの指摘をその後構造事務所から受けました。バランスが悪いので、1階の耐力壁を必要な量配置すること難しくなるようです。その後検討を始めてもらって、1.2mの跳ねだしが限界であることがわかりました。木造の跳ねだしとは関係のないエキスパンドメタルを道路側に出し、3階のバルコニーの奥行きは取れるように考えています。

同じ時期に検討をしていた三鷹市上連雀の二階建て住宅です。車から濡れずに出入りをしたいというお話から二階を跳ね出させることにしました。この跳ねだしの大きさは1間(1.82m)あります。

跳ねだしに対する建物の奥行きが、千駄木の住宅は小さく、上連雀の住宅は大きいです。跳ねだしの大きさが建物の奥行きと大きく関係するということを二つのプロジェクトで実感しています。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら