跳ね出し(オーバーハング)のボリュームのプロポーション

3階建で3階がオーバーハングする
現在設計中の代々木の長屋では、できるだけ大きなボリュームを確保するため道路境界線に迫った建物となっています。
しかし、下の階では角地の隅切りに対して迫ってプライバシーが確保することが難しいと言う理由で、当初は1・2階を隅切りに対して引きを取り、3階部分をオーナーハングさせる構成をとっていました。セットバックした先のボリュームを二層吹き抜けのリビングとして、1・2階に窓を設けることで十分な採光を取ることをねらっていました。

このプロジェクトは、現在隅切り側からアプローチを取り玄関を跳ね出しの下に作ることの検討を始めています。玄関が跳ね出し下にくることになると、1・2階で二層分のセットバックをとる意味がなくなってきました。同時に3階だけがオーバーハングした場合のボリュームのプロポーションの悪さが気になり始めました。

3階建で2・3階がオーバーハングする
まだまだ色んなことを模索中なのですが、現在は1階に対して2、3階が跳ね出した形でのボリュームで全体の形を整えることを検討し始めています。跳ね出し下が玄関だと軒の高さが低いこちらのほうが落ち着くようです。

4階建で3・4階がオーバーハングする
浅草橋の長屋は1・2階で二層分のセットバックの上に3・4階の二層分の跳ね出しがある構成です。この時は二層分の外部の吹き抜けの快適さは感じましたが、形のバランスの悪さは感じませんでした。3階建てと4階建てのプロポーションの違いが原因だと思われます。

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著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら