土地探しからの家づくり

朝霞市の小さな住宅の設計がだいぶまとまってきました。この住宅は、土地探しから、建主、不動産業者、設計事務所がタッグを組んで進めてきた計画です。

相談会

建主さんとお会いしたのは、2023年の11月です。時々開いている建築設計相談会の日に事務所にご夫婦でいらっしゃいました。
お話をお聞きすると、家づくりの検討を始めたばかりのご様子。全体のご予算や、土地の希望をお聞きすると、建物に割り当てるお金が足りないことがわかりました。
無理なお話を引き受けるわけにはいかないので、お考えの計画であれば、設計事務所ではなくタマホームなどのパワービルダーで検討した方が良いとお伝えしました。
しかし、デザインのテイストにかなり抵抗感を抱かれている様子。(後でわかったのですが、奥様はデザイン関係の大学に進まれて、今でもものづくりに関わっている方でした)
それならば中古のマンションを買って、自分たちの好きなテイストでリフォームをする手があるという話をしました。
そしてどうしても一軒家というのであれば、まずは総額と土地価格の設計からやり直した方が良い。その場合は、ファイナンシャルプランからしっかり考えてくれる、アラウンドアーキテクチャーの佐竹さんを紹介するから、まずはお金と不動産と建築の程よいバランスを設計してもらうのが良いと思う。
そこまでお話しして、当日の相談は終わりました。

アラウンドアーキテクチャー

それから3週間経った頃、佐竹さんを紹介して欲しいという連絡を受け、その年の年末に佐竹さんの事務所に伺いました。
佐竹さんはお二人の年収などのヒアリングを行い、これからお二人が暮らしていく上でのお金の流れを年数に合わせたグラフのようなもので視覚化しました。そのグラフを見せながら、いくらぐらいまでなら家づくりにお金をかけることができのかを割り出しました。さらにそこから土地にかけるべきお金と建築にかけるべきお金を導き出しました。そこから建築はどれくらいの大きさのものが可能かを私を交えて目処をつけました。
その建築を作るのにはどれくらいの土地の大きさが必要かを検討し、そして予算内でその土地が買える候補地を検討していただくことになりました。

土地探し

最初は横浜の二俣川方面の候補地がいくつかリストアップされました。1月の末にお施主さんとアラウンドアーキテクチャーの皆さんと私とで土地を見に行きました。それから2月に川越方面、少し間が空いて6月に朝霞方面に同じようにいくつかの土地を見に行き、朝霞の土地に決まりました。
同行して分かったのですが、1回目ではなかなか、土地の自分なりの良し悪しがわからないのですが、3回目となると15ぐらいの土地を実際に見ており、その倍以上の土地の候補も検討しているので、それなりの判断ができるようになった気がします。またこれくらい見ると、条件が良いものにも出会えます。お施主さんが決められた土地は費用や条件ともに私も良いと思ったもので、見学した翌日には、申し込みをすることを決めてアラウンドアーキテクチャーの方に連絡を入れていただきました。
6月の末までにはローンの事前審査も通り、契約。それから境界確定などの様々な準備を整えていただき、9月末に土地の所有権がお施主さんに移りました。

設計・施工

10月から設計に入り1月半ばに基本設計が終わり、概算見積もりを取っているところです。設計アップは6月、竣工は来年の1月の予定です。最初にお会いしてから2年と2ヶ月の長いお付き合いになりそうです。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら