ホテリ・アアルト

週末に裏磐梯のホテリ・アアルトに泊まってきました。環境、食事、飲み物、サービス、全てに感心して帰ってきました。
先日箱根本箱について書きましたが、箱根本箱と同じく保養施設だった建物を改修した宿泊施設です。しかし改修の方針が180度違っているところが、まず面白かったです。
箱根本箱では、既存の躯体の状況をあらわにすることなどもデザインとしていましたが、ここでは外観だけは残しますが、インテリアに関しては新築のように全てをかなりの密度で作りこむ改修をされていました。

部屋は白と木で作られた北欧調のインテリアです。正面の窓ガラスの両サイドは木製の網戸となっており、その奥にある可動サッシの框を隠しています。


障子や板戸が戸袋中に隠し込まれて光や視界の状況をコントロールしています。

竪格子で背後の扉などを隠し、エアコンも隠す工夫がされています。

部屋の入り口のブラケット証明と室名板。

エントランスロビー。木材がふんだんに使われています。ロビーの周りでは午後3時から午後10時までのアルコールを含む飲み物がフリーとなっています。

建物の模型。茶色の模型が既存施設で、白い模型は増築された部分を示しているようでした。

増築されたところにバーがあり、7月にオープンしたてのことと聞き行ってみました。

ここでのバーの営業は土曜日の16時〜22時のみ。他の日は郡山で営業されているバーテンダーの方にきていただき、営業をされているようです。そしてここでもウィスキー、ワイン、日本酒のそのほとんどがフリーとなっています。お金を殆ど稼ぐことがない施設にお金をかける姿勢に驚きました。写真のウィスキーは、ホテルの名前をつけたモルトウィスキー。バーテンダーさんも開発に加わったとお聞きしました。おいしいウィスキーでした。ホテルでは7000円で売っているようですが、市場にはあまり出していないようです。

窓からの眺めです。窓の向こうには沼地が広がっています。

柱の周りに構造とは関係のなさそうな張り物があったので気になり、つい撮った写真。

バーへのアプローチの見返し。ホテルの名前からどうしても気になっていた、建築家アルバーアアルトの煉瓦を使った床を思い出しました。

もう一つの増築棟の廊下。新たな客室と露天風呂が作られていました。照明と木を絡めてインテリアを作っています。

ロビーとダイニングスペースの間には居心地の良い中庭があります。テラス席では、皆がおもいおもいに寛いでいました。

眺めの良い、ダイニングスペース。

食事はこんな感じです。ここでも飲み物にお金はかかりません。ワインと日本酒をいただきましたが、どれも美味しかったです。
送迎のドライバーさんの話では、特に大きな営業活動はしなかったのだけど、自然と注目されるホテルとなり人が集まるようになったと言うことでした。良いものを提供したいと言う気持ちが、環境、食事、飲み物、サービスの全てから伝わってきたことに感服しました。そしてそれが人々の心を打ち共感を呼ぶことで、自然と人が集まるようになったのだと思いました。

先日日本社会事業大学の井上由起子さんから「施設は施設長以上のものにはならない」という話を聞きとても納得したのですが、動いている建物にはそれを動かしている人の志が現れます。このホテルの心地よさはオーナーの志が現れたものであるのだと僕は思っています。